【犬の白内障】老犬に多い白内障の原因と予防法を解説

2024年10月06日

【犬の白内障】老犬に多い白内障の原因と予防法を解説

愛犬が年を取りよく物にぶつかるようになった。散歩をしたがらなくなった。眼球に濁りがある。これらの症状が見られたらもしかしたらそれは白内障のサインかもしれません。
人と同じで犬でも老化に伴い白内障が発症しやすくなります。この記事では犬の白内障の原因や症状、治療方法や日常生活での注意点について解説します。

犬の目の構造・白内障とは

白内障について理解するために、まずは犬の目の基本的な構造について解説します。

犬の眼球の構造は人間の目と似ており、上の図のようになっています。外から入ってきた光は透明な角膜を通過し、水晶体と呼ばれるレンズで屈折したあと網膜に到達します。網膜には光を感じ取ることのできる細胞が存在しこれが脳に電気信号を送る結果犬は世界を視覚として認識できているのです。

 

白内障とはこの水晶体の部分が様々な原因で白く濁ってしまう病気のことです。この濁りは不可逆的なため、一度白くなった目は、元には戻りません。混濁の範囲が広がってくると、視覚に影響が出てきて、やがては目が見えない状態になります。いくつかの原因がありますが遺伝や加齢が原因の場合、混濁は数ヶ月~数年かけて進行するといわれています。

 

画像引用

【獣医師監修|白内障】犬の目が白い〜段階や初期症状•寿命・手術のリスクについて〜サプリメント・目薬についても獣医師が解説 (dog-dishblog.com)

白内障のステージ

チラリと見るトイプードル

白内障は、混濁の範囲により初発白内障、未熟白内障、成熟白内障、加熱白内障の4つのステージに分けられます。それぞれのステージでは次のような症状がみられます。

 

①初発白内障

白濁が水晶体のふちにある状態です。
視覚への影響もほとんどないため、飼い主が見ても気付きにくいといわれています。

②未熟白内障
白濁が水晶体の中に見え始めてくる状態です。
この段階で視界がぼやける、かすむなどの視覚障害が現れ始めます。

③成熟白内障
白濁が水晶体全体に及んでいる状態ですここまでくると瞳孔の部分が真っ白に見えます
視力の低下が顕著に出てきます。

④過熟白内障
白内障の最終段階です。
ここまでくると失明する一歩手前の状態です。水晶体が硬くなる、炎症を起こす、脱臼するなどの症状も現れ始めます。

白内障の進行

初期の段階では、日常生活や動物病院での通常の診察では、白くなっていることに気が付きません。視覚への影響もほとんどありません。しかし白内障の原因が遺伝性であり網膜にも異常がある場合は、この段階あるいはもっと前から、夜になると見えづらくなる症状(夜盲症)が出ることがあります。夕方あるいは明け方の、電気をつける前の薄暗い部屋だと、動きたがらない、物にぶつかる、などの症状がある場合は、もしかしたらこの後白内障が始まるサインかもしれません。

→症状が進行すると

白内障が進行すると、初めは一部だった混濁が水晶体全体に広がり、視覚に影響が出はじめます。見た目にもわかるくらい、目が白くなってきます。また水晶体自体も委縮したり、硬くなる変化が現れるため、目の構造自体が崩れてくることがあります。

気を付けなければならないのは、白内障に「ぶどう膜炎」を併発している場合です。炎症の程度は、白内障のステージが進むと重度になる傾向があり、痛みを伴うようになります。場合によっては緊急的な治療が必要となる、「緑内障」に移行することがあります。白目の部分に赤みが出て充血していたり目をつぶりがちなど、痛みのサインが出ている場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

治療

犬の白内障の治療法には、内科的治療と外科的治療の二つがあります。内科的治療は点眼薬を使った薬による処置になります。しかし、目薬による内科的治療では白内障は治りません。あくまでも進行のスピードを抑制するための処置になるので、白内障の根本的な治療にはならないのです。

また、目薬を嫌がる犬も多く、点眼に飼い主も犬もストレスを感じてしまうこともあります。しかし犬が目薬を嫌がるようでも、白内障の進行を抑制するために工夫して点眼してあげる必要があります。

 

外科的治療は手術です。この手術は白内障が治る唯一の手段です。しかし、犬の体力面や麻酔のリスクなどを考慮して、獣医師が承諾する場合のみ受けることができるので、どの犬でも手術を受けられるわけではありません。白内障の手術については次の項目で詳しく説明します。

予防法はある?

うえで欠いたように最終的には外科的手術でしか根治できないのが白内障です。もし外科的な処置を望まないのであれば、混濁の進行を遅くするために、点眼やサプリメントの服用が勧められます。人間では、ビタミンCやビタミンE、アントシアニンなど抗酸化作用のある食べ物を摂取することが多いですが犬で同じように摂取しようとすると、栄養バランスが偏ったり大量に食べなければいけなかったりします。よってサプリメントでの摂取をお勧めします。なお、これらは混濁の初期に効果があるため、予防的な服用としてもお勧めです。

おうちでできるケアはあるのか

サプリメント以外にも飼い主さんができるおうちのケアはあります。それが室内のレイアウトの見直しです。白内障になると視力が落ちてくるため、家の中がつまずいたりぶつかったりしないような環境か、確認してみてください。また、家具の配置はなるべく変えないようにしてあげるなどの工夫もしましょう。家の中だけでなく、散歩時も側溝など踏み外しやすい場所は避けるように気を付けてあげてください。

まとめ

この記事では犬の白内障について解説しました。犬の長寿化に伴い増えてきたのが白内障です。大切な愛犬にはいつまでも元気でいてほしいですよね。この記事が少しでも飼い主さんの役に立てば幸いです。ほかにも老犬に関する様々な記事を書いています。ぜひこちらもご覧ください。

【老犬の心臓病】僧帽弁閉鎖不全症の症状・原因・治療法を詳しく解説

【老犬の目の病気】老犬がかかりやすい目の病気を紹介

最後に千葉県にある老犬ホームスマイルフラワーのご紹介です。

スマイルフラワーって?

老犬ホームスマイルフラワー

老犬ホームスマイルフラワーは千葉県にある関東最大級の広い敷地を持つ、動物病院運営の安心安全な、老犬ホームです。充実のサービスを含む料金体系の元、ご家族に代わりに大切に愛犬をお預かりします。東京、神奈川、埼玉などからアクセスが良く、ぜひお困りの際はご相談ください。

また老犬ホームスマイルフラワーではペットホテルのサービスも行っております。ペットホテルでは基本的に犬種や持病の有無に関係なくどんな子でもお預かりしています。獣医師監修だからこそ安心してお預けいただけます。

お問い合わせ、手続きの流れはこちらからご覧ください!

スマイルフラワーでの取り組み

個別対応

老犬一頭一頭の健康状態や嗜好に合わせた食事を提供しています。食べやすい形状や温度、トッピングの工夫を行い、少しでも食欲が戻るようにしています。

医療サポート

スマイルフラワーでは、獣医師による定期的な健康チェックを行っています。食欲不振の原因が病気によるものである場合、早期に発見し適切な治療を行います。

リラックスできる環境の提供

老犬がリラックスして食事を摂れるよう、静かで安心できる環境を整えています。ストレスを軽減するための工夫を行い、食欲が回復しやすい状態を保っています。

見学のご案内

飼い主様に直接施設を見学していただき、スマイルフラワーの魅力を感じていただきたいと思っています。施設見学は随時受け付けておりますので、ぜひ一度お越しください。