【マンチカンの特徴とかかりやすい病気】気をつけたいポイントを解説

2025年06月02日

猫種別特徴まとめ

はじめに

マンチカンは、短くて愛らしい足と活発で好奇心旺盛な性格が魅力の猫種です。その見た目から「猫のダックスフンド」と呼ばれることもあります。個性豊かな性格で人との生活にもよく馴染み、室内飼育に適しています。しかし、特徴的な短足の原因となる遺伝子は骨格にも影響を与えるため、健康面では特有の注意点があります。本記事では、マンチカンの平均寿命やかかりやすい病気、健康管理のポイントについて、獣医学的な視点を交えて解説します。

マンチカンの平均寿命

マンチカンの平均寿命は12〜15歳程度とされ、猫全体の平均とほぼ同じです。ただし、遺伝性の骨格異常や椎間板疾患のリスクがあるため、日頃の健康管理が重要になります。

人間に換算すると？

人間の年齢に換算すると、約65〜80歳程度に相当します。一般的に、猫の1歳は人間の約15歳にあたり、その後は1年ごとに4〜5歳ずつ年齢を重ねるとされます。

マンチカンの性格

好奇心旺盛で遊び好き

短足でも驚くほど俊敏に動き、ジャンプやおもちゃ遊びを好みます。積極的に探索行動をするため、室内でも飽きずに過ごせる性格です。

人懐っこくて社交的

人やほかの動物との関係を築きやすく、抱っこやなでられることを喜ぶ個体も多いです。多頭飼育にも比較的向いています。

環境適応力が高い

新しい環境にも比較的早く馴染む傾向がありますが、性格には個体差があり、慎重な子もいるため無理は禁物です。

マンチカンのかかりやすい病気

軟骨形成異常（骨軟骨異形成症）

短足の原因となる遺伝子（M遺伝子）は骨や軟骨の成長に影響し、脊椎や四肢の変形、関節痛を引き起こすことがあります。重度の変形は運動機能の低下や生活の質の低下を招く恐れがあります。

椎間板ヘルニア

体幹と脚のアンバランスによって背骨に負担がかかりやすく、脊椎の変性やヘルニアを発症するリスクがあります。ジャンプや着地の衝撃にも注意が必要です。

肥満

短足で運動量が少ない個体もおり、肥満になると関節や内臓に大きな負担がかかります。体重管理は必須です。

尿路疾患

他の猫種と同様、下部尿路疾患（FLUTD）や膀胱炎、尿石症のリスクがあります。水分摂取量とトイレの様子に注意しましょう。

長生きの秘訣

健康な出自の個体を選ぶ

骨格疾患のリスクを軽減するためには、**遺伝子の影響を考慮した交配（ヘテロ接合）**で生まれたマンチカンを選ぶことが大切です。両親とも短足の交配（ホモ接合）は避けるべきです。

急激な運動や高い場所からのジャンプを避ける

骨や関節に負担がかからないよう、滑りにくい床材や段差の少ない生活環境を整えましょう。

バランスの取れた食事と適度な運動

体重増加は骨格への負担を増やします。筋肉維持と代謝のために、栄養バランスの良い食事と軽い運動を心がけましょう。

定期的な健康診断

年1〜2回の健康チェックで、特に脊椎・関節・泌尿器系の状態を中心に診てもらうことが勧められます。

普段からチェックしておきたいポイント

背中を丸めて歩く、ジャンプを避ける
　骨や脊椎に問題がある可能性があります。
排尿回数や尿の色の変化
　尿路疾患のサインであることがあります。
体重の増減
　月に1回は体重を測定し、急な変化がないか確認しましょう。
歩き方や足取りの異常
　関節の痛みや変形によるものかもしれません。

おわりに

マンチカンはそのユニークな見た目だけでなく、明るく愛嬌のある性格で多くの人を魅了しています。一方で、短足を生み出す遺伝的背景には骨や関節へのリスクが潜んでいます。だからこそ、健康に対する正しい知識と予防意識が何より大切です。日頃の観察や環境づくり、信頼できるブリーダー選び、そして獣医師との連携を通じて、マンチカンとの毎日をより健やかに、幸せなものにしていきましょう。